労働者世代における高血圧の未治療者の割合とその原因を考察

1. 高血圧者の割合から労働者世代の未治療者数を推定

日本における高血圧者の割合について、令和元年の国民健康・栄養調査報告によると、20歳以上の男性では29.9%、女性では24.9%となっています。

治療を受けていても、血圧が高い人が含まれますが、未治療の方も多く含まれると考えられます。

割合は低下してきているものの、まだまだ改善の余地があります。

令和6年の人口は総務省統計局のデータでは

となっており、

20歳以上のおおよそ1億人のうち男女比を1:1としても

おおよそ2700万人の方が血圧が高い状態となります。

また15歳から64歳の労働者世代は上記より70%。

そして成人の46%が高血圧症であることに気づいていないと推定されています。

(WHO https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/hypertension)

以上より

少なく見積もっても、2700万×0.7×0.46で

労働者世代の850万人は未治療である可能性があります。

limitationが多く、脆弱な推定にはなりますが、多くの方がまだまだより良い状態になれることを示唆しています。

2. 原因の整理とオンライン診療の可能性

それでは、なぜ治療しない方が多いのか。

高血圧の方が治療を受けない理由について、

健康信念モデル(Health Belief Model, HBM)の枠組みを使って整理してみます。

これは、1950年代からある健康行動理論のひとつで、個人の態度や信念に焦点を当てて健康行動を説明・予測しようとする心理モデルです。

認知された脆弱性 (Perceived Susceptibility):
未治療者の多くは、自分が高血圧に関連する重大な病気にかかる可能性が低いと感じているかもしれません。

認知された重大性 (Perceived Severity):
高血圧の結果として生じる健康リスクを軽視している可能性があります。

認知された利益 (Perceived Benefits):
治療を行うことで得られる健康上の利益を認識していない、あるいは重要視していないことが考えられます。

認知された障害 (Perceived Barriers):
治療のコストや通院の手間など、治療を開始することへの障害を感じているケースが多いです。

行動のきっかけ (Cue to Action):
医師からの具体的なアドバイスや家族の助言など、行動を促すきっかけが不足しているかもしれません。

自己効力感 (Self-Efficacy):
自分で血圧管理ができるかどうかに自信がない、または治療の成果に対して確信が持てないことも、治療を開始しない理由の一つです。

これらのうち、④番はオンライン診療の活用で、受診行動が促進される可能性があります。

労働者は日中に仕事をしている場合が多く、家庭や様々な理由により時間や余裕がありません。

日本人の10万人でも50万人でも治療に繋がればどうでしょうか、大きなインパクトになります。

弊社のサービスで気軽に受診できる社会を作り、未治療者の減少を目指していきます。

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