産業医を選任、変更したいときは何から進める?|具体的な手順をわかりやすく解説

産業医を変更・新しく選任したいときは、何から進めればいいですか?

まず産業医を探して、
打ち合わせを行い、業務内容と日程を決めたうえで
契約し、その後に選任届を提出する流れになります。
以下の記事で詳細を説明いたします。
産業医を変更・新規選任する流れの全体像
産業医を変更したい、または新しく選任したい場合、やることはそこまで複雑ではありません。
大きな流れとしては以下です。
- 産業医を探す
- 打ち合わせで業務内容を決める
- 日程(活動スケジュール)を決める
- 費用・見積もりを調整する
- 契約締結
- 活動開始
- 選任届を提出
順番に見ていきます。
① まずは産業医を探す
まずは産業医を探すところから始まります。
探し方については、以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
ある程度候補となる産業医や産業医事務所が見つかったら、次のステップに進みます。
② 打ち合わせで「何をしてもらうか」を決める
産業医が見つかったら、まず打ち合わせを行います。
参加者は企業担当者と産業医事務所の担当や産業医などです。
まず会社概要や今までの産業保健の活動を企業側からしていただくとスムーズです。
その後、ここで決めるのは、
- どのような業務を行うか
- 何時間程度活動するか
といった「働き方の内容」です。
基本的には、産業医事務所側がある程度主導して提案をすることが多いです。
このあたりも、前回の記事で解説している内容をご参考ください。
③ 活動日程は「毎月固定」にするのがポイント
業務内容が決まったら、次にスケジュールを調整します。
ここで非常に重要なのが、
👉 毎月同じ日時に固定すること
です。
例えば、
- 第3月曜日の15時から
- 毎月第4木曜日の午前
などです。
産業医は、普段は病院勤務などをしているため、
- 「木曜日しか動けない」
- 「特定の曜日しか空いていない」
といったケースが多いです。
そのため、
- 毎月バラバラの日程(火曜・水曜・木曜と変える)
というのは現実的に難しいことが多いです。
また会社側としても、
- 安全衛生委員会の開催
- 社内メンバーのスケジュール調整
を考えると、日程が固定されている方が圧倒的に効率的です。
④ 業務内容と日程が決まったら費用を調整する
業務内容と日程が決まれば、
👉 それに応じた費用が決まります。
産業医事務所によってはある程度料金体系が決まっていますが、
- 実施内容
- 関与頻度
によって見積もりが変わります。
最終的には、
- 紹介会社
- 産業医事務所
から正式な見積もりが提示されます。
⑤ 契約書を作成・締結する
条件がまとまったら、契約書を作成します。
契約書には、
- 業務内容
- 実施頻度
- 費用
- 契約期間
など、これまで決めた内容をすべて反映します。
契約書のひな形については、
- 産業医側
- 産業医事務所
- 紹介会社
が持っていることがほとんどですので、
ゼロから作る必要は基本的にありません。
双方合意のうえで、契約書にサインして締結します。
⑥ 活動開始後に「選任届」を提出する
契約が終わり、実際に活動が開始されたら、
👉 選任届を労働基準監督署へ提出します。
一般的には、
- 選任後14日以内
といったルールがありますので、ここは必ず確認してください。(安衛則代13条第2項)
⑦ 引き継ぎが必要なケースと不要なケース
前任の産業医がいる場合は、引き継ぎが必要になることがあります。
ただし、すべてのケースで必須ではありません。
引き継ぎが必要なケース
- 週2〜3日など、勤務日数が多く、しっかり関与していた場合
- 面談・メンタル復職対応・長時間労働対応などが多かった場合
このような場合は、
👉 新しい産業医への情報共有が重要になります。
必要に応じて、前任産業医へ確認・ヒアリングを行います。
引き継ぎが不要なケース
- 月1回の訪問のみ
- 職場巡視だけで面談なし
このような場合は、
👉 実務上、引き継ぎが不要なことも多いです。
まとめ
産業医の変更・新規選任は、難しそうに見えて実はシンプルです。
ポイントは以下の通りです。
- まず産業医を探す
- 打ち合わせで業務内容を決める
- 日程は毎月固定にする
- 内容が決まってから費用を調整する
- 契約後に選任届を提出する
- 必要に応じて引き継ぎを行う
この流れを押さえておけば、スムーズに進めることができます。
よくある質問(Q&A)
契約書のひな形は会社側が用意しないといけませんか?
基本は、産業医事務所側や紹介会社がひな形をもっています。
そちらを参考に、御社の必要な事項を付け足して使っていただくこととなります。
投稿者プロフィール

- 原産業医事務所 代表産業医
- 【経歴】
産業医科大学 医学部医学科 卒業。済生会系病院での臨床研修・救急、総合診療勤務を経て、複数の企業で嘱託や専属産業医を歴任。
その後、産業医学・公衆衛生の専門性を活かし、「原産業医事務所・梅田北オンライン診療クリニック」を立ち上げる。
現在は京都大学大学院(社会健康医学系専攻)に在籍し、働く人々の健康や医療アクセスの課題に向き合いながら、臨床と予防の両面から医療の新しい形を実践している。
【資格・所属】
日本産業衛生学会・社会医学系専門医・指導医/労働衛生コンサルタント(保健衛生)/
産業医科大学産業医学ディプロマ/日本東洋医学会/JATEC・ACLS・AMLS修了 ほか
最新の投稿
ブログ2026年3月26日産業医を選任、変更したいときは何から進める?|具体的な手順をわかりやすく解説
ブログ2026年3月25日産業医はいつから必要?何人から選任義務がありますか?
ブログ2026年3月25日産業医は何をしてくれる?仕事内容と実際の対応範囲をわかりやすく解説
ブログ2026年3月23日嘱託産業医の費用相場はいくら?月額料金に含まれる内容を解説

